2012年3月度、山行部例会報告 国見山(284m)〜白旗池(ソフトコース)[サポート講習会] |
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実施日 | 2012年3月4日(日) |
天 気 | 曇りのち雨 |
参加者 | 視障:8名 晴眼:12名 合計:20名 |
コース | JR環状線京橋駅 北出口改札前 08:15 現地(JR片町線 津田駅) 09:00 JR京橋駅〜JR片町線住道駅(普通に乗り換え)〜津田駅〜遊歩道〜 国見山〜白旗池(昼食)〜国見山〜遊歩道〜津田駅〜京橋駅 |
感 想 | |
★感想及び反省点★ 久しぶりのサポート講習会と言う事で、以下の4つの項目を目標としました。 1.基本的な事をチェックする。 2.弱視のHさんにアイマスクしていただき、サポートされる体験をしてもらう。 3.晴眼者の参加者にアイマスクしていただき、サポートされる体験をしてもらう 4.サポートの講習をする体験をしていただく。 それぞれの項目を考察します。 1.久しぶりのサポート講習なので、晴眼者、視障者、サポートする側、される側、それぞれ 基本的な事をチェックしていただきました。 下見を2回行い、2回目の下見では、いくつかのチェックポイントを定め、チェックリストを 作りました。 出発前には、サポートロープの装着方法の確認も行い、チェックリストの項目の説明、普通 の例会のように歩いたら1時間ほどのコースですが、それぞれのペアでチェック項目を検討 しながら歩いていただくようにお願いしました。 下記感想のように、細かくチェックされてる方がいらっしゃる反面、歩き初めからちゃんと 基本的にやってくださいと注意しなければならない方もいらっしゃいました。残念な事です。 2.私が知っているだけで、槍ヶ岳、奥穂高岳や例会などで、弱視者が転落または、一歩手前 と言う、いわゆるひやり・ハッとしたことが、数回有ります。 弱視者は、見えているようで見えてないと言う部分が有りますので、少しでも危ないなぁ、 不安だなと思ったら、サポートを受けていただきたいと思います。 そのために、アイマスクして、視力を使わなくても、ちゃんとサポートを受ければ歩けると言う 事を体験していただきました。 3.晴眼の方にも、ザックの動きで、いろいろな情報が得られると言うこと、言葉の説明の重要性 などを感じていただきたいと思って企画しました。 ただ、段差の上り下り、溝を渡ったりもしたかったのですが、雨が降っていましたので、次の 機会と言うことにしました。 4.今までサポート講習と言えば、Oさんと私が担当みたいにやってきましたが、サポートは会員 全員の問題で有り、みんなで意識を高めて行くものだと思います。 で、今回は4人の方にお願いして、それぞれの班の中で説明をおねがいしました。 これからもいろいろな方に、説明役をお願いしたいと思います。 以上、4つの項目は、それなりにうまく行ったかなぁと思います。せっかくサポート講習会をする のですから、ただ単に「サポート講習会」と銘打っただけで、普通の例会のように登って下りて きたのでは意味がないように思います。 目標意識を持って企画し、参加する方もちゃんと意識を持って参加しないと、何にもならないと 思います。 通常の例会なら草花を見たり触ったり、野鳥のさえずりに耳をかたむけるのもいいでしょう。 サポート講習会ですから、サポートする、されると言う事に集中していただきたいものです。 特に、会員歴の長い、いわゆるベテランと呼ばれる方は、後輩、初心者の方に模範となって もらわなくてはなりません。よりいっそう真剣に意識を持ってやっていただきたいと思います。 何のスポーツでもそうですが、自分はうまくできてる、ちゃんとできてると思ってると、そこからは うまくなりません。サポートも同じで、する側もされる側も、うまくやってる、ちゃんとできてると 思ってると、どんどん下手になって行きます。常に、もっとうまくサポートするには、もっとちゃんと サポートされるにはと意識していないと、技術は向上しないと思います。 |
サポート講習チェックポイント |
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【基本ポイント】 * サポートは目の代わりであって、手を引っ張ったり、後ろから押したりしない。 * サポーターのザックは、軽い物(空気枕、空のペットボトルなど)でふくらませておく。 * 視障者は、サポートロープの端を持ち、サポーターのザックの左後面を触りながら、真後ろを歩く。 * サポーターは、歩き始める時、止まる時は、視障者に声をかける。 ◎ 木の根の坂を登る ・足の置く位置を指示する ・地面から浮いた根、濡れた根に注意 ◎ 丸木橋を渡る ・ストックで橋の両端を確認してもらい、橋の長さ、途中に穴などがないか、状況を説明する ◎ 階段を上る ・できるだけ足を高く上げなくてもいいように、足の置く位置を指示する ・いくら登りやすそうな斜面でも崖そばは歩かない ◎ 階段を下る ・できるだけ低い段差を下りられるように、足の置く位置を指示する ◎ 崖そばの細い道を歩く ・崖の淵をストックで確認してもらう ◎ 応用コース ・頭上、横から出てくる木の枝に注意。 ・足元の指示だけではなく、手で体を支えられそうな枝、岩なども指示する。 |
参加者からの感想文 |
サポート講習会に参加して |
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K : 今日はいい道ですごく楽しかったです。また参加したいです。 M : いつもより確認しながら丁寧にサポートしてくれたような…。 自分もチェックしながら歩きました。 N : 今日は、アイマスク体験がすごく良かったです。 Kさんが上手にご案内してくれはって、枯れ木も全部きれいに乗り越えて来ました。 おやつもすごかったです。いつも、いつもありがとうございます。 I : ストックのすぐそばに右足を置くように意識して歩きました。特に下りは…。 翌日、右足のふくらはぎが筋肉痛でした。トレーニング不足を痛感しました。 T : 久々のサポート講習会。少々緊張感があって良かったです。 アイマスクのHさん、率直、真面目で感の良さは素晴らしい!お疲れ様でした。 N : 久し振りのサポート講習会でした。 初心に戻って、サポートの仕方を考える良い機会になりました。 今回、晴眼者のアイマスク体験はとても良かったと思います。 街中でのアイマスク体験はありますが、サポートロープを持って、サポーターのザックに手を掛けて 歩くのは初めてでした。木や岩役の人を縫うように歩きましたが、ザックの動きでどちらに曲がった かはよく分かりました。ただ、今回は雨が降っていた事もあって、平坦な所だけの体験でしたので、 今度は少し山道でも体験してみたいです。 K : サポート講習会。ベテランのEさんとご一緒でしたので、色々教えていただきました。 ありがとうございました。 まだまだ自分のことで精一杯のところがあり、声掛けも不十分で、つい話に夢中になってしまうことも… 先輩たちに教えてもらいながら、少しづつ、うまく出来るように頑張りまーす。 K : アイマスクのHさんをサポートしていたら、後方の先生から「右じゃなくて左じゃない?」と厳しいチェック の声が聞こえて来ました。 よく右左を間違えますが、幸い、これまでは大事に至っていません。 以後、右かな左かなと緊張してサポートしました。 今後、不運にも私の案内に当たられた方は要注意です(笑) K : 日曜日の講習会、色々とありがとうございました。 私は田舎育ちのせいか、山に入ると幼いころを思い出します。 落ち葉をカサカサと踏む音、木や土の匂い。そして 木々の葉を通る陽の光。 そんな普通のことが、今はとても懐かしく感じられて 山に魅かれています。 今回は正直なところ、私は大変、「こわかった」です。 転んで怪我をさせたらどうしようとか、引っ張っていないかとか、そんなことが気になって、度々後ろを 振り返りました。そして、街中を行く人が、皆、敵に思えて、「どいて、どいて・・」ときっと怖い顔をして いたかもしれません。 私の日常って、どんだけのものなんやろう・・・と、今はなんか妙な感じです。 好きな山が一緒に楽しめるようになったらいいなぁと思っています。 そのためには、まず何事も「言葉で伝える」という当たり前のことを今一度、振り返ってみたいと思い ます。 K : サポートも 新芽もまだまだ 国見山 H : 先日の国見山、久しぶりの山行でした。 このところ雑用に手を取られすぎて、参加出来ずでした。 中でも、サポート講習会は新しい思考で、実践的で良かったと想います。 まさに枯れ木も山の賑わいで、私も枝を張った木の役で、晴眼者たちが目隠しして木の間を通る体験 はこれからのサポートの参考に成ったと想います。 S : 私がアイマスクをして、晴眼者の人のサポートで歩き、枝に見立てた腕の下をくぐりましたが、くぐり 終わって、晴眼者の立ち上がるタイミングで、くぐり終わったのだなあと解りました。 平地の道路でやってもらったのが良かったです。 H : 国見山サポート講習会ご苦労様でした。 さて、今回のサポート講習会ですが、Sさんのサプライズのおかげで、非常〜にわたくしめには有意義 なものになりました。 今までは、場所によってサングラスをかけたり、はずしたりし歩いてました。 そんな事しなくても、サポータの後ろをきっちり歩いて行けば、危なくないと分かっていても、なかなか そのとおりに出来ないのが弱視ですね。 たいして見えてもいない目を使って、なんとかしようとするんですよね。 ところが結構ハズレが多いんです。よけたはずの水たまりに足を突っ込んだり、数え上げたらきりが ありません。でも山に行けば、それぐらいですみませんよね。 今回アイマスクを付けて歩いたことで、サポートしてもらう側の基本に従って歩いてれば、目も使わな い分疲れないし、それ以上にそれが一番安全なのだと実感しました。 一歩前に踏み出せたようです。ありがとうございます。 O : アイマスク体験をしたくないような、したくないです(笑) でも、お互いの意思の疎通には必要ですよね。 アイマスクを付けることによって、気づかされる事は多いはずです。 次回はアイマスク体験をしてみようかな? H : サポート講習会と言うことで、いつもより基本に忠実にサポートを受け、歩く様に心がけた。 特に注意を払った点を列記する。 ・ロープとザックを持つ。ロープはザックに近い部分を軽く持つ様にする。 ・サポーターの動きがすぐに伝わり、歩き易い。 しかし、サポーターの靴を踏んだり、足を蹴ったりしない様に、気をつけなければいけない。 ロープの持つ位置で調整する。 ・2列で歩ける所では、サポーターの注意を高める為にも、確認の為、声かけをしてから2列に成る。 ・山道に入ると道が細く成るので、立ち木や枝、谷等に注意を払う。 その為に、サポーターの真後ろに入る様に意識して歩く。 サポーターのザックの外側を持つ様にする。 ・杖で左右の道の状況を見る ・足底で地面の状況を見ながら歩く。 ・登りは、無理の無い程度の高さの足場を探す様にして登る。 サポーターのザックを引っ張らない様に気をつける。 ・下りは、滑らない様に杖を突き、バランスヲ取りながら降りる。 足底で地面を見ながら足を運ぶ。杖で道を見る。段の位置、高さ、深さ等。 サポーターのザック或いは、ロープのザックに接する程度の部分を軽く持ち、動きを直ちに分かる 様にする。 サポーターのザックを引っ張ったり、重みをかけたり、押したりしない様に気をつける。 ・下りの段差の有る所では、出来るだけ段差の浅い所に足を置く様にする。 杖と足底、そしてサポーターのザック・サポートロープが目の役目になる。 杖は、道を見るのと体のバランスを取るのに重要。 ・小枝が顔面に当たる様なコースではめがねや帽子がいる。 ・足場の悪い所では気が引き締まっているが、余裕の出来た所になると気が緩み易く、かえって危険 であるので、気を引き締める様に心がけた。 ・サポート講習会は自分の歩行をチェックする機会となる。 O : 長い間サポート講習をする事もなく例会を続けてきました。 新しく来られた晴眼者には、ベテランの視障者をサポートして頂き、後ろからアドバイスをしてもらい ながらの山行を続けておりました。 晴眼者はそれで下山するまでには、要領は掴んで頂けたと思いますが、その間、他の視障者はどう だったのかな?と言う危惧をしておりました。 長年の癖が抜けきらず(よくない癖です)、今日まで来てしまったのではないでしょうか? 後ろからのサポートの要領も身に付けてアドバイスをすると、足元が難しい時は、スムーズに足を運ぶ ことが出来ると思います。 但し、これは前後のサポーターの息が合わないと、視障者は混乱されるでしょうね。 この日を境に、例会山行のサポートをお互いにもう少し意識して頂いて、楽しい、事故の無い、そして いつまでも回り続ける「かざぐるま」であって欲しいと思います。 余談ですが、例会でありながら、一人で歩くのは寂しいものです。 でもそれはその日、任務なんですね。 E : 全く視力のない人(私の夫や友人も)が、白杖1本で、町中を一人歩きしたり、かざぐるまの人が、 サポートロープ1本で、サポーターの案内で、登山が出来る事に、私はいつも感動しています。 この度の、弱視のHさんがアイマスクをして登山をされた事に、より深く感動しました。 K : 今回のサポート講習会では、晴眼者同士がペアになり、一人はアイマスクをして、相方がサポートを しての、交互に、サポート体験が良かったです。 6年前にホームヘルパー2級の資格、視覚障害者のガイドヘルパーの資格取得以来の、アイマスク 体験でした。 前半は、左手に伝わってくるサポーターのザックの動きに、全神経を集中して、障害物を避けながら 歩き、後半は、ロープを握った手を、サポーターのザックから離して、歩いてみました。 前半の方が断然歩きやすかったです。 サポーターの声かけ誘導と、左手に伝わってくるザックの動きの、複合情報により歩く方が楽でした。 ロープを犬の散歩のようにもって、サポーターの声だけの誘導では、歩きにくかったです。 |