2015年10月度 山行部例会報告
京都トレイル第6区 二ノ瀬〜氷室神社(ミドル)
 





    
  実施日 2015年10月4日(日)
  天  気 晴れ
  参加者 視障:10名  晴眼:11名  合計:21名
  コース 京阪京橋駅07:47発〜出町柳駅09:00発〜叡電〜09:25二ノ瀬着
09:35二ノ瀬発〜夜泣き峠分かれ道10:14〜向山頂上10:45
昼食11:15〜11:55〜山幸橋(発電所)12:45〜氷室小峠14:25〜
舟山(舟形火床)16:00〜市バス西賀茂車庫前16:40(現地組解散)
〜バス〜京阪出町柳駅17:33〜京阪京橋駅18:23解散
  感 想

  参加申し込み締め切り日まで、サポート不足で心配しましたが、なんとか視障者の参加を
  お断りすることなく実施できましたので、ホッとしました。
  当日は気持ち良い秋晴れで、手入れされた北山杉の中、向山頂上までは歩きやすい道を、
  会話を楽しみながら歩くことができました。
  盗人橋から先は、小さな沢わたりがあったり、いくつもの小さい橋をわたり、倒木をまたいだり、
  下をくぐったりと変化に富んでいましたね。
  
  宮中に献上するための氷を作って貯蔵したところとして知られている氷室神社を通過して、
  最後は五山の送り火(舟形)で有名な舟山に登り、火床からは京都市内が綺麗に展望
  できました。
  
  日没が早くなってきたのに、距離が長かったので少し心配していましたが、皆さん余裕で
  下山できました。
  参加された皆さん、お疲れ様でした。
           





参加者からの感想文

京都トレイル

  長かった夏もようやく終わり、いよいよ体を存分に動かし、おいしい物を腹いっぱい食べられる「スポーツ
  と食欲の秋」の到来である。
  この夏も例年通り、暑さにはめっぽう弱いぼくは、三か月の間、すっかり「かざぐるま」のハイキング行事
  にはご無沙汰してしまった。
  「はい!うちわ片手にお昼寝タイム! アハハ」。
  さて、いよいよ首を長くして待ちに待った10月4日実施の「京都トレイル」は、久しぶりの、「わくわくハイク」
  の参加である。
  天気は、これが秋だといわんばかりの抜けるような青空。体をすり抜けて行く風も、湿り気のないさらさら
  感の申し分なし。
  「ヤッホー」!まるごとうれしい気持ちのいい山行だった。
  そこで今回は、このさわやかな、秋の恵みに感謝しつつ、イメージと感性を込めながら「一句」したためて
  みたいと思う。
  ということで、ぼくの俳句をご覧になって、皆さんなりのイメージで思いを描いてくだされば幸いである。
  
  さて、最初にこの満喫した秋晴れの下でのハイキングを、わかりやすく象徴する言葉として紹介するには、
  「いわしぐも」とか「うろこぐも」が適格だ。
  このフレーズは定番で外せないとして、これで、「下の五文字」は決定とする。
  次に、「10月」入ったばかりの時期の今、まだまだ落ち葉とか枯れる前の草木がうっそうと茂る山の秋に
  象徴されるものとしては、何がいいか考えてみたい?
  「ううん!それならやっぱり虫かなあ?」
  さて、「虫」と決めたら、それにまつわる言葉探しだ。
  「虫の声」とか「虫の歌」の文字列、これは残念ながら既に使っている「うろこぐも」季語の重複になるので
  使えない。
  でも大丈夫、工夫次第で日本語は山のようにいっぱいあるのだから。「探せ・探せ!」
  例えば、隣のガキが親に叱られて「ギャアギャア」ほえるのは、「鳴き声」。その隣の家の兄ちゃんが
  姉チャンにふられて「シクシク」やるのも「鳴き声」。虫が「チンチロ・コロコロ」歌うのも「鳴き声」だ。
  そこで、ここは「鳴き声」で決定とする。これで「上の五文字」も出来上がりである。
  残るは、後「中の七文字」だけ。
  「鳴き声」を出しているのは虫だ。それが秋の虫であるために、「中七」を使ってイメージがわくように
  「うろこぐも」につなげばいいのだ。
  中の(7文字)について、気をつけたいのは、ここの表現では、説明するように作ってはいけないという
  ことである。
  そうそう、俳句を作るにあたり注意したいのは
  「季語」を入れる。「五 七 五」の形式で作る。「説明」はしないというのが約束だ。
  さて、本題にかえしたい。ここで説明してしまえば前の(5文字)も死んでしまうことになるのである。
  貴重な少ない文字も、オジャンパー 歿 お陀仏さまとなってしまう。 「合唱」。
  例題を以下に挙げてみると
  「鳴き声は 澄んだ虫のね うろこぐも」とか。
  「鳴き声は さわやか虫のね うろこぐも」とか。
  一見、それらしく聞こえるようでも、これは前の「声」をただ単に説明をしているにすぎないので、
  「アウト!」とする。
  説明しないで、作者も読み手も「イメージ」するのが俳句の醍醐味である。
  尚、ここの所は、案外とらわれやすいので、もう一度ざっくり広げてみる。
  五・七調で書かれてある観光パンフレットとか標語のたぐいをあまり参考にしないことである。
  具体的に書けば…。
  「わらべの手 もみじのように かわいいな!」 「大笑い」。
  さて、横道はこのくらいにして、最後の「中七文字」に進めてみることにする。
  秋になれば風景はどうなるのか、秋はどのような思いをもたらすのかとか、ここで言葉にして色々
  ふくらませながら、秋を色々思い描いてみるのである。
  これが大切なことで、連想すればとても楽しいものだ。
  今回、一句作るに当たり、秋につながる「語句」を挙げてみれば…。
  夏は、ほぼ真上に「じりじり」あった太陽も、今や「ほんわか」南に下がってしまった。
  秋の日暮れは、つるべ落とし。秋分を過ぎれば緞帳を落とすが如く日暮れが日に日に早くなってくる。
  あれほど暑かったのに、気温も30度から20度・10度へ…と下がってくる。
  「実るほどコウベを下げる稲穂かな」。みんな「下へ下へ…」。
  そででは虫に至ってはどうだろうか?
  あの暑い夏、頭の上で「ミンミン」と忙しくせみの大合唱が聞こえていたはずなのに、今は、そびえ
  立つ木々を見上げてもあの虫、どこにも見るかげも声もない。
  代わって、足下(あしもと)の草むらからは、虫たちのハーモニーがあちこちで流れ、秋の文化祭の
  大イベント。
  やっぱり虫たちも上にならえということにおさまりそうだ。あれ!下だったかな? 「笑い」。
  以上、頭と心で空想したり、連想したり、色々イメージしたり…。
  盛り沢山楽しんだ最後は「一句」の出来上がりだ。
  以下のわずか「十七文字」の句には、
  今まで述べたことがすべて著しい秋として含まれていることを添えておきたい…。
   
    鳴き声は 上から下に 鱗雲       
    なきごえは うえからしたに うろこぐも

    


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